麻雀人類学  1.麻雀ことはじめ | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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院長のひとりごと

麻雀人類学  1.麻雀ことはじめ

兄の感化を受けて、世に麻雀なる高尚な遊戯があることを知ったのは、高校生の頃だった。実際に打つようになったのは大学に入ってからのことである。

当時は学生運動の残り火があちこちにくすぶっていた頃で、突然授業がボイコットされて討論会に変わったり、夜遅くまで学生大会が開かれているような世相だった。たまに向学心に燃えて校門をくぐると、校舎はバリケード封鎖されている始末である。

折しも阿佐田哲也著「牌の魔術師」が漫画週刊誌に掲載されていた頃のことである。当時としては珍しい学生アパートに住んでいた私は、早速仲間と語らって麻雀牌を手に入れた。誰かが麻雀の入門書を買ってきて、恐るおそる始めたのが、高尚(にして自堕落)なこの道に入るきっかけとなったのである。

毎日毎晩、それこそ寸暇を惜しんで私たちは麻雀を打ち続けた。陽水、拓郎、海援隊、かぐや姫……ラジオから流れてくる彼らの歌が、私たちが麻雀を打つときのBGMだった。

そのうち私たちのアパートのすぐ近くに住んでおられたM教授から、夜間は静かにして欲しいとの申し入れがあった。

M教授の専攻は倫理学である。私たちは大いに恐縮し、麻雀をやめた……かというと、そうではない。私たちは音を立てずに牌をかきまぜる方法を編み出すべく、血のにじむような努力を重ねたのだった。

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