麻雀人類学  4.役満狂騒曲 | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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院長のひとりごと

麻雀人類学  4.役満狂騒曲

ビギナーズ・ラックというわけでもないけれど、役満は初心者のほうがよくアガったりする。役満というのは麻雀の役(アガり方)の中で最も点数の高いものを指す。文字通り役の満つるところである。

麻雀は大まかに言って、統計をもとに点数が決められているから、役満ができることなど滅多にない。ところが初心者のうちはこのへんの機微がわからないから、むやみに狙ってみたくなる。車でいえば免許を取ったばかりの者が、早く高速道路に出て100キロ出してみたくなるようなものである。

打ち慣れた者の中に初心者がひとり交じって役満を狙っても、まずアガれることはない。アガリ牌を抑えられてしまうし、聴牌(テンパイ)する前に1,000 点くらいの安い手で蹴られてしまうからである。ところが初心者同士で打っていると、みんなが自分の牌しか見ていないし、アガるのも遅いものだから、いつのまにか誰かが役満をつくってしまったりするのである。

私が初めて役満をアガったのも、そういう状況だった。細かいことはもう忘れてしまったが、四暗刻(スーアンコ)のシャンポン待ちで一筒(イーピン)をツモったことだけはよく覚えている。しとしとと雨の降る梅雨の日で、「今日は麻雀日よりだ」などと言いながら入った、白川沿いのうらぶれた雀荘でのことである。BGMは渚ゆう子の「京都慕情」だった。雀荘のおばさんが景品にチョコレートをくれたのだが、当時出回りはじめたばかりのナッツ入りヌガーで、役満よりもむしろこちらのほうに感激した覚えがある。

その後、再度の四暗刻をはじめ、国士無双(これは7,8回アガりましたね)、大三元(これは5,6回くらいかな)、珍しいところで字一色(ツーイーソー。このときは大三元もついていたのでダブル役満ということになります)、地和(チーホー)といったところが私の役満歴である。これらのほとんどは、車でいえば若葉マークの頃にアガっている。

地和(チーホー)は中野区医師会の麻雀大会でアガったもので、ゴルフのホールインワンに匹敵する役満であるから、翌日早速近くの鷺宮八幡神社に詣で、厄払いをしてきたことは言うまでもない。

まだアガったことのない役満が天和(テンホー)、清老頭(チンロウトウ)、四喜和(スーシーホー)、緑一色(リュウイーソー)、九連宝燈(チュウレンポートン)である。40年以上麻雀を打ってきて、まだアガれない役満がこれだけある。「ああ、オレはついにすべての役満をアガることなく一生を終えるのか……」と、残された日々を数えながらいささか寂しい思いをしている今日この頃なのである。

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