麻雀人類学  5.悪い奴ほどよくアガる | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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院長のひとりごと

麻雀人類学  5.悪い奴ほどよくアガる

麻雀を打つ以上、勝ちたくなるのは人情である。生活がかかっているとなればなおさらで、私も勝つためにずいぶん努力した。

最初に特訓したのが「ツバメ返し」というイカサマ技で、これは配牌(初めに手元に配られる牌)と自分の山に積み込んである牌とを、一瞬のうちにすり替える高等技術である。昔、イレブンPMというテレビ番組があって、金曜日の麻雀実践講座で、確か小島武夫氏が披露してくれたことがあったと思う。氏があまりにもさりげなくやっていたので、私もさりげなくやってみたのだが、あにはからんや、これがうまく行かないのである。何日か牌と格闘した挙げ句、私はこの技を習得することをあきらめた。

イカサマが使えないとなると、正統派で行くしかない。私はまず確率論に従ってひたすらピンフを狙うようになった。これにリーチとタンヤオをつけ、ドラを1枚乗せれば満貫である。ツイていれば、これに三色がついてハネ満になる。

この方針で行くと、確かにテンパイは早くなる。しかし、不要牌の切り方が素直になり過ぎるので、手の内を読まれてしまい、誰も振り込んでくれなくなる。自分でツモってアガるしかなくなるわけで、効率の悪いことこの上ない。

麻雀は相手に振り込ませるゲームである。とくに終盤になると、誰から何点取ればトップになれるかを常に計算しながら打たなければならない。逆にオーラス(最終回)で自分がトップに立っているときは、何点までなら振り込んでもいいというところまで計算する。安い手なら、わざと振り込んでトップを確保することだってあり得るのである。

ここに様々なかけひきが生じることになり、麻雀の醍醐味は実にこの終盤のかけひきにあるといっても過言ではない。

では、このかけひきに勝つ秘訣とは何か?

ひとくちに言えば、それは相手に対するイヤガラセである。相手がイヤがることをいかにたくさんできるかが、麻雀の強弱を計るバロメーターとなる。

たとえばここに一人ツイていないメンバーがいたとする。すると、そいつを徹底的にタタくのである。そいつから取れるだけ取って、自分の負けがないことを確かめてから、あらためてトップを取りに行くのが、生活がかかった麻雀というものである。あるいは、まさかこんな牌で待ってはいないだろうという牌を狙ってアガるのである。それで相手がガックリ来たら、しめたものである。気落ちしたところにつけ込んでやればよい。要するに麻雀では、意地の悪い者が勝つのである。

私はある時期を境に、麻雀ではあまり負けたことがない。ということは、取りも直さず、私が意地の悪い人間だということになるのではないか?

うーむ、何だかこの連載を続けるのがつらくなって来たなあ。

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