麻雀人類学  13.奥能登麻雀旅行 | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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院長のひとりごと

麻雀人類学  13.奥能登麻雀旅行

教養課程の単位をほぼ取り終え、専門課程にはまだ間がある2年生の夏休みに、能登半島一周の麻雀旅行に出かけたことがある。メンバーはツルカメ会幹事のH氏と総務のM氏(私はヒラ)、それにH氏の妹さん(漫画家)で、珠洲市の民宿を拠点にH氏の運転する車に乗って半島めぐりをしながら、夜は麻雀三昧に浸るという贅沢な旅行である。

単なる景勝地めぐりとは違って、きれいな海が目に入ると、そこで車を停めて海に潜り、サザエやアワビを採ってはその場で調理して食べるというグルメの旅でもある。サザエは面白いほどよく採れたが、どれも小粒で、私たちは「もっと大きなサザエはいないのか」などと勝手な文句を言ったりした。

車のトランクにはクーラーボックスに冷やした缶ビールが山ほど積み込んであり、採ったばかりのサザエのつぼ焼きを肴に、浴びるほどビールを飲んだ。アワビはその場で刺身にし、海水に浸して食べるのである。もう30年以上も前の話であるが、あれほどうまいアワビにはその後もお目にかかったことがない。

麻雀のほうは散々で、初日は全く目が出ず、大幅に負け越してしまった。しかしそこは長老者の集まりであるツルカメ会、負けてもアツくなることはなく、「うーむ、負けましたか」と鷹揚なものである。もっとも翌日は私がたまたま国士無双をアガったこともあって、トータルでは何とかプラスにすることができたが……。

ところで、旅を終えるにあたって民宿の主人に聞いたところによると、私たちが潜った海は禁漁区なのだった。この時期はサザエがまだ十分に成長していないので、採ってはいけなかったのである。缶ビールがなくなって空になったクーラーボックスに、食べ切れなかったサザエをしこたま詰め込んでいた私たちは、宿の主人の話を聞いて絶句した。道理で、採ったサザエがどれもこれも小粒だったはずだ。

私たちは今さら事情を打ち明けるわけにも行かず、そそくさと宿をあとにしたのだった。

能登の漁師の皆さん、ごめんなさい。

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