夢のような夢のはなし  10.数の象徴(7と8について) | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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夢のような夢のはなし

夢のような夢のはなし  10.数の象徴(7と8について)

7は一般に「移行」を表す。新しい世界への移行や、新しい展開が訪れる場合に7という数がよく使われる。

子供が生まれたときに「お七夜」というお祝いをする。「七日七夜は神のうち」といって、生まれて七日以内に亡くなった子供は、まだ人間になっていないという理由で神様にお返しすることになる。つまりお七夜とは七日生き延びたことを祝って、その夜に子供を人間の世界へ迎え入れる儀式なのである。

ご存じの通り子供の死亡率の中でも早期新生児の死亡率は格段に高い。昔の人はこれを経験的に知っていて、お七夜という儀式が生まれたのであろう。生まれて七日以内は人間と認めない風習には、間引きの罪悪感を減じる効果もあったに違いない。

逆に人が亡くなると七日ごとに法要を営む。これは死者があの世へ行くために修行をする時期で、それを7回くり返すと晴れてあの世に生まれかわることができる。あの世で名乗ることになる新しい名前が戒名である。つまり四十九日とは死者が浄土に生まれ変わり、現世との縁が切れたことを披露する儀式で、たいていはこの日に納骨が行われる。

以上のように7という数字は、お七夜においては神様の世界から人間世界への移行を、七日法要が七回行われた四十九日においては現世から来世への移行を表す。

夢の中に7という数字が出てくることは、筆者の経験ではあまりない。前回の5という数字と同じように、意識の関与が強い数なのかもしれない。

7はむしろおとぎ話によく出てくる。「白雪姫」には7人の小人が登場するが、この物語は少女から成熟した女性への「移行」を描いたものである。グリム童話の「七羽のカラス」は、魔法をかけられてカラスになった七人の兄を救い出すために少女が冒険の旅に出る話で、ここでも少女から成熟した女性への移行が描かれている。

ところでラッキーセブンというのは、移行に対する楽天的な見方を指しているだけで、別に7に幸運という意味があるわけではない。悲観的な見方をすればアンラッキーセブンにもなりかねない数である。移行に失敗した場合は堂々巡り、すなわち循環に陥る。月火水木金土日の七曜は、7という数の別の側面を表している。

一方8は「分化した全体性」を表す。4が全体性あるいは世界を表すことはすでに述べたが、8はそれが2倍になったもので、たとえば意識の世界と無意識の世界が統合されたものなどと言われたりする。しかしこれは多分に意識的な操作がなされており、少々理屈っぽい気がしないでもない。少なくとも夢の中に8という数が出てくることは滅多になく、筆者も八丁艪の船の夢を見たことがある程度である。

4を上回る高度な世界という意味では、建築物にそれが見られる。法隆寺の夢殿は正八角形で、建物そのものに崇高な意味がこめられている。興福寺の南円堂、北円堂も同じ正八角形で、北円堂に入ったときは宇宙の中にいるような不思議な感じがしたものである。

なお末広がりで縁起がいいというのは、八という字形からの連想で、心理学的には全く根拠がない。

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