木もれ日  15.藤井聡太六段のこと | 中野区鷺ノ宮から徒歩4分の精神科・心療内科

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院長のひとりごと

木もれ日  15.藤井聡太六段のこと

藤井聡太四段の登場で将棋界は沸き返っている。62年ぶりに加藤一二三九段が持っていた14歳7ヶ月という史上最年少プロ棋士の記録を塗り替え(14歳2ヶ月)、30年ぶりに神谷広志八段(当時五段)が持っていた28連勝という記録を、デビュー以来無敗のまま29連勝するという、とてつもない記録で塗り替えたのである。

その後も快進撃はとどまるところを知らず、順位戦で無敗のまま中学生初の五段になったかと思うと、半月ほどの間に朝日杯将棋オープン戦で羽生善治竜王と広瀬章人八段に連勝し、中学生初の棋戦優勝を成し遂げると同時に六段に昇段してしまった。小説にしたらかえってウソっぽ過ぎて見向きもされないような出来事が実際に起こってしまったのである。

実は私も将棋ファンで、若い頃に10年以上プロ棋士に指導を受けたこともあるし、平成22年からは毎月1回地元の中野区鷺宮で将棋サロンを主宰しており、もうすぐ100回を迎えようとしている。

ここでちょっと自慢話をさせてもらうと、ケーブルテレビ囲碁将棋チャンネルの「お好み将棋道場」に出演し、現役七段のプロ棋士に(飛車落ではあるが)勝ったことがある。また漢字検定ほどメジャーではないが、「将棋文化検定」というものがあって、筆者は全国で9人しかいない1級に認定されている。さらに4年前から「職域団体対抗将棋大会」という団体戦に出場し、一番下のクラスながら一昨年悲願の全国優勝を遂げ、主催紙朝日新聞の片隅にチーム名「曽根クリニック(中野区)」として掲載されたこともある。

プロの目には到底及ばないが、私のような素人目から見ても藤井六段は格段の強さを備えている。平成8年に将棋の七大タイトルを全制覇した羽生善治竜王・棋聖のデビュー当時より強いのではないかと思えるくらいである。

藤井六段の才能を見出し、育てたのは、彼に将棋を教えた祖母をはじめとする家族と、地元のアマ強豪たちである。子どもは社会の宝であり、子どもが持っている能力を導き出し、花咲かせてやるために努力を惜しまないのが大人の役割というものであろう。

藤井六段は傑出した才能を備えており、それを応援したくなるのは自然な人情の発露である。しかし藤井六段のような才能がなくても、人一倍優しいとか、根気強いとか、正直であるとか、たとえ学業成績はふるわなくても、子どもたちは一人一人その子に見合った能力を備えている。それを見出し、育て、自信を持たせて社会に送り出してやることが、未来を担う子どもたちに対する大人の本来の役割ではないかと、殺伐としたニュースが多い中、痛切に思う今日この頃である。

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